物流環境大賞

日本物流団体連合会では、平成12年6月、物流部門における環境保全の推進や環境意識の高揚等を図り、物流の健全な発展に貢献された団体・企業または個人を表彰する「物流環境大賞」を創設いたしました。
これは、近年、物流分野においても環境との調和がますます重要となっているという現状から、物流部門において、優れた環境保全活動や環境啓蒙活動、あるいは先駆的な技術開発などを行なうことにより、環境負荷軽減の面から物流業の発展に貢献された方々を表彰する制度です。

第17回(平成28年度)表彰受賞者の概要

物流環境大賞
受賞者 一般財団法人日本気象協会
ネスレ日本株式会社
川崎近海汽船株式会社
功績事項 需要予測の精度向上・共有化による省エネ物流(モーダルシフト)プロジェクト

 ネスレ日本(株)は、自社製品輸送においてかねてからモーダルシフトを積極的に推進していたが、内航海運をさらに活用するためには、輸送量を含む輸送計画を早期に決定する必要があった。
 自社製品であるペットボトルコーヒーの消費量は気温に大きく左右されることから、(一財)日本気象協会が昨年来開発した「二週間先の気温情報」を活用することにより、輸送計画の早期かつ綿密な策定が可能となり、その結果、内航海運を活用した出荷計画が立てやすくなり、モーダルシフトの増量が可能となった。
 また、海上輸送を担う川崎近海汽船(株)も、船舶の運航に高精度・高解像度の気象海象情報を活用し、当日の気象海象に合わせた最適な航路を選択することにより、経済的な運航を実現した。
 このような活動を通じ、モーダルシフトの推進により船舶使用頻度を向上させ、CO2排出量削減を達成することにより、環境負荷軽減に貢献する仕組みを確立した。

物流環境保全活動賞
受賞者 センコー株式会社
功績事項 酒類販売チェーン店向け集積センター設置による混載集荷及び鉄道輸送の取り組み

 九州内の各酒造メーカーから全国拠点の物流センターへ焼酎等を供給する際の輸送について、輸送効率の改善を行った。従来各メーカーが独自の輸送手段で各物流センターへ直送していた商品を、混載集荷をした上で一旦集積センターに集め、12ftコンテナを利用した鉄道輸送による拠点間輸送へと転換した。


受賞者 ヤマト運輸株式会社
功績事項 路線バスを活用した宅急便輸送「客貨混載」

 ヤマト運輸(株)は、自治体・バス事業者と連携し、路線バスに宅急便を積載して輸送する「客貨混載」を岩手県・宮崎県の一部地域で開始した。
これは、路線バスに一定量の宅急便を積載できるよう、荷台スペースを確保し、トラックで運行していた区間の一部を路線バスに切り替えて輸送する取り組みである。これにより、CO2排出量の削減につながり、環境負荷低減を実現した。
 また、バス事業者にとってはバス路線網の維持につながる新たな収入源の確保、自治体にとっては生活交通路線の安定化による地域住民の生活基盤の維持・向上とヤマト運輸のセールスドライバーが地域に滞在する時間が増え、より地域に密着したサービスを行えるようになり、環境負荷低減に留まらない幅広い効果を生み出した。

物流環境啓蒙賞
受賞者 グローバル・ロジスティック・プロパティーズ株式会社
功績事項 世界最高水準の環境とBCPに配慮した物流施設の開発と普及

 グローバル・ロジスティック・プロパティーズ(株)は、「他社との差別化を図る」と「震災の教訓を活かす」観点を重視し、環境とBCPに最大限配慮した先進的な物流施設を開発している。
 世界150ヵ国以上で採用されている建物環境認証システム「LEED」を物流施設としては国内で初取得したのをはじめ、耐震性と環境負荷軽減を両立する「PC免震構造」の採用、物流施設の屋根への太陽光発電装置搭載など、環境負荷低減に寄与する様々な施策を行っている。
 これらの施策により大幅なCO2排出量削減等を成し遂げ、物流施設における環境対策の重要性を示し、その範となる取り組みを実現した。

物流環境負荷軽減技術開発賞
受賞者 井本商運株式会社
功績事項 540TEU型国内最大内航コンテナ船“なとり”(世界初の球状船
首・省エネ型コンテナ船)就航

 井本商運(株)は、モーダルシフトの追い風により海上コンテナ輸送が今後も増大することを見込み、競争力あるサービス提供と環境保全の両立を目指し、内航コンテナ船“なとり”を就航させた。
 コンテナ船としては世界初採用となる球状船首をはじめ、様々な新技術により従来船と比較し大幅な低燃費運航を実現した。
 加えて、内航コンテナ船として国内最大級の輸送力と定曜日運航サービスの提供によりモーダルシフト推進を後押しし、技術革新と輸送の効率化の両輪により、環境負荷軽減を実現した。


受賞者 オーシャントランス株式会社
功績事項 大幅省エネ効果が認められる大型カーフェリー船4隻の代替建造

 オーシャントランス(株)は、増大するモーダルシフトの需要に応えるため、保有するフェリー4隻を全て省エネ効果に優れた新造船に代替することとし、本年1月に第一船である“フェリーびざん”が就航した。
 新技術採用による低燃費運航、車両積載能力向上により、モーダルシフトの推進、環境負荷軽減を実現している。
 特に、同船に導入された積載車両を固定する“オートラッシングシステム”は、作業の効率化と荷役資材節減による環境負荷軽減を同時に達成する装置であり、単なる船舶のリプレースに留まらない取り組みにも着目すべき案件である。


受賞者 日東電工株式会社
日東ロジコム株式会社
功績事項 「GENEQ SHIELD®ロジスティクスシステム」を使用した「Hybridコンテナ」によるCO2削減

 日東電工(株)及び日東ロジコム(株)は、従来リーファーコンテナで輸送していた一部の貨物について、太陽の輻射熱を反射し、コンテナ内の温度上昇を防ぐ養生材「GENEQ SHIELD®」を活用したドライコンテナによる輸送へ切り替えた。
 この結果、リーファーコンテナの使用削減により、燃料の軽油節減とCO2排出量削減を達成した。
 また、養生材は繰り返しの使用が可能なため、輸送後発生する廃棄物を減少させる点においても環境負荷軽減に貢献している。


受賞者 日本郵船株式会社
京浜ドック株式会社
株式会社ウィングマリタイムサービス
功績事項 日本初のLNG燃料船「魁」の竣工が導く、LNGへの燃料転換

 日本郵船(株)は、環境規制への対応のため、日本初のLNG燃料船である曳船(タグボート)“魁”を、京浜ドック(株)の協力のもと完成させた。
同船は、(株)ウィングマリタイムサービスが横浜・川崎港にて運航している。
 LNGを燃料として使用可能としたことにより、従来船と同等の性能を維持しつつ、重油比較でCO2、SOx、NOx等の排出量の大幅削減が可能となり、環境負荷軽減に貢献した。
同船はLNGに加え重油も燃料として使用可能であり、運航面での冗長性も確保されている。
 今後は自動車運搬船やLNG燃料供給船などの大型外航船へ技術を応用していく。

物流環境特別賞
受賞者 日本コンテナ輸送株式会社
功績事項 コンテナラウンドユースによるCO2排出量の削減

 日本コンテナ輸送(株)は、海上コンテナ空回送による非効率な輸送と環境負荷増大を解決するため、全国の内陸デポを活用したコンテナラウンドユースを実施し、輸送の効率化を実現している。
 港での空コンテナ搬出入作業を省略することでゲートでの手待ち時間を解消し、ドライバーへの負担軽減と環境負荷軽減双方を達成した。


受賞者 日本通運株式会社
功績事項 空コンテナ輸送の削減によるCO2削減、安定的な輸送戦力の
確保、コスト削減への取り組み
〜「日通コンテナマッチングセンター」設立によるコンテナ
ラウンドユースプロジェクト〜

 日本通運(株)は、海上コンテナ輸送に関して、港湾地区の渋滞に起因する排ガス増加、ドライバーへの負担を軽減するため、空コンテナ輸送に伴う非効率な輸送の解消を目的としたコンテナラウンドユースプロジェクトを実施している。
 自社のマッチングセンターを設立し、事業者同士のマッチングを実現するシステムを活用してコンテナラウンドユースを推進し、環境負荷軽減に貢献した。

日本物流記者会賞
受賞者 濃飛倉庫運輸株式会社
株式会社しまむら
株式会社ジェイアール貨物・インターナショナル
(現:日本フレートライナー株式会社)
日本高速輸送株式会社
功績事項 「同一の海上コンテナ」による「国内転用」と「ラウンドユース」
を組合わせた取組み

 濃飛倉庫運輸(株)は、(株)ジェイアール貨物・インターナショナル(現 日本フレートライナー株式会社)、日本高速輸送(株)との協力により、同社で輸入デバンニングを終えた空の海上コンテナを内貨転用して(株)しまむらの拠点間国内輸送に活用。その後、同コンテナを東北地方の複数の輸出者がラウンドユースを行う取組みを実施している。さらに同取組みの長距離幹線輸送は鉄道輸送へモーダルシフトした。
 「海上コンテナの内貨輸送への転用」「コンテナラウンドユース」「海上コンテナの鉄道輸送へのモーダルシフト」を組合わせて実施する先進的な物流を構築し、効率的な輸送と環境負荷軽減を両立する物流システムのモデルケースを実現した。

物流連会長特別賞

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過去の受賞者概要

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第17回(平成28年度)「物流環境大賞」受賞者の概要
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